トイレの神様
最近流行歌(この言い方がすでに年寄りですなぁ)にとんと興味がなくなって歌番組も見ないしもちろんCDを買ったりもしません。カミさんは無理して(?)息子と歌番組を見ては新しい歌や曲などにも通じているふりをしていますが。
とんと興味はないが、「トイレの神様」という歌が今注目を浴びていると聞きました。ネーミングに興味を持ったので、youtubeで検索して聞いてみました。関西弁で親しみやすく、おばあちゃん子の私とおばあちゃんの心の絆がうまく歌われていていい歌に仕上がっていました。こんな風に歌は始まります。
小3の頃からなぜだかおばあちゃんと暮らしてた
実家の隣だったけどおばあちゃんと暮らしてた
毎日お手伝いをして、五目並べもした
でもトイレ掃除だけ苦手な私におばあちゃんがこう言った
トイレには それはそれはキレイな女神様がいるんやで
だから毎日 キレイにしたら 女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで
おばあちゃんの言葉を信じて子どもの私はトイレをピカピカにする。
そして年頃になった私はだんだんとおばあちゃんと心が離れていってしまい、上京する。
おばあちゃんが入院したのを聞いて見舞いにかけつける。短い出会いの翌日、おばあちゃんは静かに永遠の眠りにつく。
そして
気立ての良いお嫁さんになるのが夢だった私は
今日もせっせとトイレを ピーカピカにする
おばあちゃん おばあちゃん ありがとう
おばあちゃん ホンマに ありがとう
と、こんな風に結ばれる。おばあちゃんに思い入れの深い人にとってはまさに「泣ける歌」でしょう。
私も可愛がってくれた母方の祖母のことをいろいろと思い出しました。同居していたわけではありませんでしたが、その祖母のいる母屋に行くととても可愛がってくれました。私が高校生の頃に畑仕事をしていて、転倒し骨盤を骨折しました。それからは寝たきりの生活でした。時々見舞いに行くとすごく喜んでくれ戦争中の話などしみじみ話してくれました。私が高2でバイクの無免許運転で事故を起こしてしまったときなどは「かわいそうに、代わってやれるなら ばあちゃんが代わってやりたい」と泣いてくれたのにはびっくりしました。やさしいおばあちゃんでした。大学生の時に亡くなりましたが、初めての身近な死でした。火葬の時の煙突から立ち昇る白煙をぼんやり見て哀しくなったことを思い出します。
このおばあちゃんについては後日談があって、「あのおばあちゃんは私の本当の実母ではなく、実母が子どもを産んであと早死にしたので妹が嫁入りしたんや。」と母からのちのち聞きました。昔はそんな嫁入りがあったのですね。
若い人の歌にもなかなかいいものがあるではないかと感心しました。
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